Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
not registered
PNC TJ1601 98-003, 57 Pages, 1998/03
放射性核種の地中移行プロセスにおいては、含水酸化物等の亀裂充填鉱物や有機分解縮合成物(フミン物質)などが、核種の地下水-固相間の分配に大きな影響を与えると予想される。しかし、これらの物質においては、錯生成官能基が固体や高分子の骨格に固定されていることによる効果と、組成および構造が不均一な混合物であることによる効果が重畳しており、相互作用は複雑となる。そこで、フミン物質のモデル物質として、組成が均一な高分子弱酸であるポリアクリル酸を選び、その酸解離およびNp(V)との相互作用を調べた。酸塩基滴定の結果によれば、高分子弱酸の酸解離は、解離度が大きくなる程抑制され、イオン強度が高くなるほど促進される。この結果に基づき、解離度とpH、イオン強度との関係を記述するモデルを確立した。また、溶媒抽出法により得られたNp(V)のポリアクリル酸錯体の見かけの生成定数は、解離度の増加と共に増大し、イオン強度の増加と共に減少した。これらは、カルボキシル基によるNpO2+への配位が一座から多座に変化すること、および、多電荷を持つ高分子陰イオン近傍へのNpO2+の凝集に対するNa+の競争によるものとを考えた。
R.Ludwig*; 館盛 勝一
Solvent Extr. Res. Dev. Jpn., 3, p.244 - 254, 1996/00
新しい機能性化合物として知られるカリックス[4]アレーンにカルボキシル基とアミド基を4個(それぞれの比率は異なる)付加した新しい抽出剤を合成し、その抽出特性を調べた。カルボキシル基によるイオン交換機構とアミド基による共有結合機構は、金属により異なって発現し、また水溶液の酸性度にも依存した。Au、Pt、Pd等に対してはアミド基が有効に働いてその抽出を行った。Ru、Rh等のハードな陽イオンは主としてイオン交換的機構で抽出された。Naイオン共存効果を調べ、Naが抽出剤分子の内側にまで入り込んで抽出されることから、同様の抽出機構で抽出れるソフトな金属に対しては負の効果、むしろNaの入り込みで外部への接近が容易になるハードな金属に対しては正の効果が現れることを明らかにした。
加川 昭夫; 須黒 寿康; 福本 雅弘; 宮本 陽一; 中西 芳雄
PNC TN8410 94-078, 57 Pages, 1994/07
有機系TRU廃棄体(マトリックスが有機物であるもの及び廃棄物中に有機物を含むもの)は地下深部へ処分した際、廃棄体から地下水中へ溶解した有機成分(以下、可溶性成分)とTRU元素等の長寿命核種が安定な錯体を形成して、TRU核種の溶解度を上げたり、核種移行速度が速まるおそれがある。このため、今回、東海事業所から発生する有期系TRU廃棄物の内、貯蔵量が多く今後も増加が考えられるアスファルト固化体を評価対象として、アスファルト中の可溶性成分の回収試験及びアスファルト中の可溶性成分の浸出試験及び金属イオン(ニッケル、ジルコニウム)との錯体生成試験を行った。可溶性成分のメタノール・クロロホルム混合溶媒による抽出を行った結果、溶出量はアスファルト40gに対して約1mg(35ppm)と微量であった。一方、水酸化ナトリウムによる抽出を行った結果、抽出物のFT-IRから有機金属錯体形成を生じる可能性のある有機配位子としてカルボン酸の吸収スペクトルを得た。また、FABによりこのカルボン酸の分子量を測定した結果、分子量は100900までのカルボキシル変性物であることがわかった。アスファルト+金属イオン(ニッケル、ジルコニウム)+イオン交換・蒸留水による363Kの浸出試験では浸出液中の全有機炭素量を測定した結果、アスファルトに対して約300400ミューgC/gと微量であった。さらに、浸出液中の有機金属錯体の確認として、金属錯体の代表的な抽出溶媒であるMIBK(メチルイソブチルケトン)の浸出試験で得られた浸出液を抽出したが、有機金属錯体は抽出されなかった。以上より、今回の評価試験の限りにおいては、アスファルトの可溶性成分量は少なく、処分の性能評価に影響する錯体生成も認められなかった。
伊藤 政幸
DEI-91-129, p.75 - 82, 1991/12
線量を変えて照射したEPRに種々の温度で熱を加え、加熱中の酸化反応の程度を反映している化学発光と酸化反応の結果EPR中に蓄積されるC=0基とを測定した。線量を異にする試料を一定温度に保ちながら化学発光を測定した。温度は60Cから10Cおきに160C迄を選んだ。いずれの温度でも僅かな線量(27kGy)で発光量は著しく増加するが、51kGy以上ではほとんど変わらない。発光量の活性化エネルギーは線量に依存せず82.7kJ/molである。線量を異にする試料について、熱暴露時間とC=0基の濃度との関係を調べると、C=0基の増加速度は線量に依存せず、温度のみに依存することが明らかになった。照射後のC=0基の濃度をCo、その試料をt時間熱暴露した時の濃度をCとすると、速度定数Kは(1)式で定義できた。60Cから140Cの範囲でのKの活性化エネルギーとして95.8kJ/molを得た。Log(C/Co)=Kt(1)
江草 茂則; 幕内 恵三
Journal of Colloid and Interface Science, 79(2), p.350 - 364, 1981/00
被引用回数:20 パーセンタイル:61.21(Chemistry, Physical)n-ブチルメタクリレート,2-ヒドロキシエチルメタクリレート,アクリル酸の三元共重合体ラテックスをCo線とレドックス重合触媒とを用いて合成し、得られたラテックスの粘度,粒子径,酸分布,電解質安定性について比較検討した。これらの物性は放射線法と触媒法ラテックスとで有意に異なることがわかり、この差はラテックス中の触媒切片の有無に帰属された。さらに、ラテックスの安定性と粒子表面酸密度との相関について検討した結果、必ずしもすべての粒子表面酸がラテックスの安定化に有効な訳ではなく、その有効率は触媒法ラテックスの方が高いことがわかった。この理由は、触媒法ラテックスではその重合触媒切片が同時にラテックスの加水分解を誘起し、カルボキシル基が粒子表面に生成されるためであると結論された。一方、放射線法ラテックスではこの加水分解が起こり難いため、重合後ラテックスを加熱してもその物性変化が小さいという利点があることがわかった。